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ジオパーク:調査研究助成

令和3年度おおいた姫島ジオパーク調査研究助成 研究成果

公開日:2022年4月15日 最終更新日:2022年8月4日

おおいた姫島ジオパークのユニバーサルデザイン化の推進に関する調査研究

山口 弘幸(鎮西学院大学)

本研究では、おおいた姫島ジオパークのユニバーサルデザイン化の推進を目的に、ユニバーサルデザインの観点から各拠点施設の点検及びユニバーサルデザイン・ジオツアーの企画開発の検討を行った。拠点施設及び周辺ルートの多目的トイレ等の調査を行う中で、宿泊先や食事処等で配慮や開拓を要する点もあるが、適切な情報提供と無理のないバリアフリー状況の改善、介助者の手配を行えば、概ねコース設定が可能であることが考察された。今後の発展課題として、ソフト面・ハード面の両面を捉えた可能な限りでのバリアフリー環境の改善検討、バリアフリーツアーセンターとの連携強化、姫島らしいユニバーサルなジオ体験プログラムの創出の推進が重要である。

 

姫島盆踊における観光・文化財化の影響と解釈―”アバレボー”の変容を事例に―

羽田野 京(筑波大学大学院人文社会科学研究科)

本研究の目的は、姫島盆踊において、即興性に一人もしくは数人で滑稽な恰好で踊り場を巡り、観客を笑わせる行為者アバレボーに注目し、芸能の変容と解釈について明らかにするものである。
アバレボーは、行為者の日常を知る観客が、滑稽な仕草や恰好をみせる行為者との関係性の中で意外性を捉えるものである。そのため外部からの観客である観光客が増加した影響や、観光として見せるものでなければならないといった意識などにより現れなくなったと考えられてきた。
しかしアバレボーの条件や前提、芸能の場における役割を整理し、姫島盆踊全体が文化財指定や観光資源を受けつつ、どのように変容をとげていったのかを捉えると、アバレボーに期待されていた役割は、現在の盆踊りにおいて、アバレボー以外の形で継承されていることがうかがえる。

 

姫島に分布する更新統唐戸層の珪藻化石群集変遷の解明

納谷 友規(国立研究開発法人産業技術総合研究所地質情報研究部門)

姫島に分布する更新統唐戸層には複数層の浅海成層が挟まることが知られ、また珪藻化石が豊富に産出する。これまでに唐戸層に挟まる海成層からは新種の珪藻化石が見つかるなど、唐戸層は更新世の沿岸珪藻群集変遷を明らかにする上で重要な地層であることが分かりつつある。唐戸層の年代は、テフラの対比などから前期更新世後半~中期更新世前半にまたがると考えられているが、挟まる海成層の枚数やそれぞれの海成層の詳しい年代についてはよく分かっていない。
本研究では、唐戸層の層序と年代を明らかにすることを目的として野外地質調査を行った。調査は島内5地点で露頭観察を行い、層相に基づいて柱状図を作成した。同時に珪藻化石分析用の試料も採取した。今回観察した地点では、みつけ海岸~丸石鼻の間の海岸で最も連続的に地層を追跡することができた。層相と珪藻化石の予察的検討結果から、みつけ海岸~丸石鼻の間の海岸では、唐戸層とその下位の川尻礫層の中に、少なくとも4層の海成層が挟まる可能性が明らかになった。他の地点においても海成層が検出されたがその数は少ないため、観察された地層の範囲が断片的だったと考えられる。今後は、各地点の海成層同士の対比と年代の推定が課題として残される。さらに、珪藻化石群集を明らかにして、時代ごとの珪藻群集の変遷を明らかにする予定である。

 

島嶼部の持続可能な観光地経営の研究
―おおいた姫島ジオパークの自然観光資源と海辺の観光地経営について―

七枝 敏洋(比治山大学短期大学部総合生活デザイン学科)

姫島は、約30万年前の火山活動により4つの小島が誕生し、砂州でつながった一島一村の島である。火山が生み出した神秘の島・姫島は、海域を含む東西14km、南北6kmが2013年に日本ジオパークに認定されている。
姫島には、全長500mの美しい姫島海水浴場がある。元来の砂地を整備したもので、花崗岩質の砂と海の青さと夕日のコントラストが美しい海岸である。シャワー室、休憩所等があり、指定された場所ではバーベキューもできる。
「時と自然の希跡ジオパーク天一根(あまのひとつね)」は、自然、歴史、文化、産業、生態系を展示していて、エコツアーの入り口として相応しい。姫島では、魚付林、塩田から車えび養殖への転換、資源管理型漁業”期節定め”など、島民の生活の知恵を多く見つけることができる。姫島盆踊りなどの祭り、空き缶デポジット制度、光ファイバー網の整備等は離島が抱える課題解決への取り組みの結果であり、これらの足跡は島の文化資源と言える。

 

おおいた姫島ジオパークの教育普及における地質露頭のハギトリ標本の活用

中西 利典(ふじのくに地球環境史ミュージアム学芸課)・堀川 義之(西日本技術開発)

おおいた姫島ジオパークの見どころである第四系(丸石鼻層、川尻礫層、唐戸層)や30万年前以降の火山岩、後氷期の砂州などの沖積層などの地質露頭および地形を観察した。これらの露頭状況およびジオパーク事務局員と相談した結果、唐戸層の海岸浸食が顕著な露頭においてクロスラミナが顕著な層準および城山火山の火口湖堆積物の細互層が顕著な部分を選定・整形してハギトリ標本を採取・作製した。前者は、ほぼ水平に形成された浅海成の地層が、ほぼ直立して海岸付近に露出しており、姫島の基盤を構成した火山活動に伴った地殻変動の激しさを知ることができる。 一方、後者の火口湖堆積物の形成年代を検討するために、火山灰分析試料を採取した。