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ジオパーク :見どころ

主なジオサイト一覧

公開日:2020年11月30日 最終更新日:2024年5月8日

地質・地形サイト

火山

姫島には、約30万年前以降の火山活動で生まれた七つの火山があります。これらの火山は、それぞれ1回の噴火活動で生じた単成火山とよばれるもので、 異なる時期に、それぞれ独立に活動しました。島の随所に、溶岩ドームや火口跡をはじめとする火山活動の痕跡がみられます。

姫島の火山は、西日本火山帯の火山フロントの上に位置しており、ユーラシアプレートにフィリピン海プレートが沈み込むことで地下に生じたマグマが 上昇し噴火したものです。

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達磨山火山

12万年前に活動した火山です。ス鼻では、ゴツゴツした岩肌の達磨山溶岩がみられ、ヨロイ岩と呼ばれています。 達磨山溶岩には角閃石や硬石膏などの鉱物が含まれています。

城山火山

島の北西部に位置する城山火山は、気泡を多く含む乳白色の溶岩が特徴です。 観音崎では城山溶岩の一部である黒曜石の断崖が美しい景観を作っています。 城山溶岩は、最近までパーライトの原料として採石されていました。

関連するジオサイト等:観音崎、観音崎火口、千人堂

浮洲火山

直径700mほどの円弧状の浅瀬からなる姫島最大の火口跡をもつ火山で、火山体の大部分は海面下にあります。 姫島七不思議のひとつ「浮洲」として知られる岩礁は浮洲溶岩からなり、干潮時には陸側と繋がります。

関連するジオサイト等:浮洲火口

矢筈岳火山

姫島最高峰266.6mの矢筈岳は、約9万年前に活動した火山で、山腹~山頂にかけて矢筈岳溶岩が分布しています。 矢筈岳溶岩は、角閃石を含むデイサイトです。

大海火山

大海火山は、矢筈岳東麓から二股池にかけて噴出物が分布しているのみで、火山体や火山地形が残存していないため、 姫島火山群では最も初期に活動した火山であると考えられています。

金火山

模様が特徴の金溶岩は、角閃石を含むデイサイトで、溶岩ドームまたは貫入岩が5つ分布しています。 東浦漁港(金)の海岸沿いには、金火山の活動に関連した火砕岩が分布しています。

関連するジオサイト等: 金溶岩、拍子水

稲積火山

稲積火山は、拍子水の付近から見ると、中央部の火口跡が窪んだ台形をしています。 稲積溶岩からなる断崖の上には姫島灯台が建てられています。

関連するジオサイト等: 姫島灯台、阿弥陀牡蠣

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地層

姫島の中央部には、瀬戸内海ができるよりも前、姫島の周辺がまだ陸地であったころに、河川や湖にたまった地層があり、 国東半島から運ばれてきた石や多様な地質構造が観察されるほか、木・貝類・哺乳類の化石などがみつかっています。 これらの地層は、後に生じた火山活動に伴って隆起し、断層や褶曲などの変形構造が発達しています。

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鷹の巣

ひめしまブルーライン沿いの矢筈岳南東側にみられる海食崖で、崖の表面のボコボコとしたくぼみを利用して、 ハヤブサが営巣することから、鷹の巣(たかのす)と呼ばれています。

関連するジオサイト等: 鷹の巣

大海のコンボリュートラミナ(県指定天然記念物)

屋根瓦のような模様が連なった「コンボリュートラミナ」は、地震等の揺れが加わったことにより地層が流動化し、 層が乱されて形成される構造です。この露頭は「姫島の地層褶曲」として昭和34年に県の天然記念物に指定されています。

関連するジオサイト等: 大海のコンボリュートラミナ

丸石鼻

丸石鼻海岸でみられる約200万年前の地層は、大きく傾斜しており、褶曲や断層など、 多様な地質構造を観察することができます。

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岩石・鉱物・湧水・化石

姫島には、黒曜石をはじめ、様々な地質遺産があります。姫島の火山岩には、流紋岩と呼ばれる、 縞模様が特徴の岩石が多くみられ、島内の石垣などにも多く使われています。 また、島の各所で発見されている旧ゾウの化石や藍鉄鉱などの鉱物、湧水などは、 姫島の地質を理解する上で欠かせないものです。

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観音崎(国指定天然記念物「姫島の黒曜石産地」)

島内随一の景勝地である観音崎は、乳灰色~乳白色の黒曜石の断崖が続いています。観音崎の黒曜石は、 火山活動の過程を記録した岩石で、地質学的に重要であるとともに、主に縄文時代には石器に加工され、 瀬戸内海を中心に広い範囲で流通しており、考古学的にも大変重要であることから、 平成19年に「姫島の黒曜石産地」として観音崎一帯が国の天然記念物に指定されました。

藍鉄鉱(県指定天然記念物「姫島の藍鉄鉱」)

ス鼻沖の海底から、鉄のリン酸塩鉱物である藍鉄鉱が発見されており、昭和34年に県の天然記念物に指定されています。 球形のものや動物の骨の形など、様々な形状のものが見つかっています。

拍子水

島の北東部では、「拍子水」と呼ばれる鉱泉が間断なく湧き出しています。 泉温24.9℃、二酸化炭素を多く含む炭酸水素塩冷鉱泉で、飲用することができます。

哺乳類化石(ナウマンゾウ他)

姫島の地層や周辺の海底から、3種類のゾウ化石が見つかっています。

ゾウ化石は、拠点施設「時と自然の希跡ジオパーク 天一根」に展示しています。

その他の化石(貝化石、植物化石、高師小僧など)

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地形

姫島の周囲には、海による浸食作用や堆積作用で形成された様々な地形がみられます。 トンボロ地形は、海の流れによって運ばれた砂礫が堆積した砂州によって陸地と島が連結した地形です。 海食崖は、崖の下部が少しずつ浸食され、不安定になった上部が崩落して後退し、新しい崖の面が露出して形成されます。 また、海食洞は、海食崖の中でも弱い岩質の部分が強く浸食され、洞穴になったものです。

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トンボロ地形

姫島は、4つの小島が砂州でつながって1つの島になったもので、島の各所に、トンボロと呼ばれる砂州地形の名残がみられます。 国東半島側から姫島を見ると、4つの小島のつながった地形がわかります。

鷹の巣

ひめしまブルーライン沿いの矢筈岳南東側にみられる海食崖で、崖の表面のボコボコとしたくぼみを利用して、 ハヤブサが営巣することから、鷹の巣(たかのす)と呼ばれています。

関連するジオサイト等: 鷹の巣

観音崎の海食崖と海食洞

観音崎の東側には、黒曜石からなる海食崖が高さ40m、幅120mにおよびます。また、海食崖には複数の海食洞があります。

関連するジオサイト等: 観音崎、千人堂

姫島灯台下の海食洞と柱岳

姫島灯台下には、稲積火山の一部である柱ヶ岳溶岩からなる断崖が露出し、海食洞が複数みられます。 西側の海食洞が一番大きく、満潮時には小舟で洞内に入ることができます。洞内には、姫島七不思議のひとつ阿弥陀牡蠣があります。 崖の東端にみられる離れ岩の「柱岳」は、もともとつながっていたもので、陸側との間に同様の海食洞があったと考えられます。

関連するジオサイト等: 姫島灯台、阿弥陀牡蠣

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生態サイト

 

離島である姫島は、島外との交流がなく、大型の野生動物がいなかったことから、島の人の暮らしとの関わりの中で独特の生態系が育まれてきました。

 

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アサギマダラ休息地

渡り蝶のアサギマダラは、5月頃、姫島に自生するスナビキソウの蜜を求めて、南の地から飛来し、姫島で休息したのち、 涼しい北の地に向かって飛び立ちます。10月頃、その世代を交代した蝶が、北から南へと向かう途中で、 姫島に生えているフジバカマの花の蜜を求めて、姫島で休息します。

関連するジオサイト等: アサギマダラ休息地(春)、アサギマダラ休息地(秋)

猛禽類生息地  

姫島には、種の保存法の対象種となっているミサゴやハヤブサなどの猛禽類が生息しています。 ミサゴは「観音崎」で、ハヤブサは海食崖「鷹の巣」で営巣します。

関連するジオサイト等: 観音崎、鷹の巣

植物

スダジイ(村指定天然記念物)

比売語曽社周辺の崖地一帯に自然のままのスダジイが群生しています。

関連するジオサイト等: 金溶岩、拍子水、比売語曽社

クロマツ(村木)

黒松は、本州・四国・九州の海岸に多い松で、ゴツゴツした黒っぽい樹皮が特徴です。 姫島には黒松が多く繁茂していましたが、昭和の終わりから平成にかけて、松くい虫の被害をうけました。 被害拡大を防ぐため、多くの黒松が伐採され、その数は大幅に減少しましたが、松くい虫の被害を免れた黒松は、 現在も島内の各所に残っています。

ノジギク(村花)

野路菊は、兵庫県~西日本に分布するキク科の多年草で、日当たりのよい海岸の崖などに自生し、秋に白い花を咲かせます。 

スナビキソウ(アサギマダラ休息地)

砂浜などの海岸線に生育し、日本では九州~北海道に分布します。アサギマダラの好む物質が含まれ、花や枯れた茎の部分などにアサギマダラが集まる様子が見られます。

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歴史・文化サイト

歴史・文化・産業

古事記や日本書紀にも登場する姫島は、古くからの歴史があります。海上交通の発達とともに、瀬戸内海の交通の要所として栄えてきた歴史や、離島に息づく独特の人の暮らし、文化が見どころです。

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用作遺跡

縄文時代晩期の遺跡で、矢筈岳の北西の平坦な台地に位置しており、1988年に発掘調査が行われました。 現在は埋め戻されて畑地になっています。この遺跡では、姫島の黒曜石を使った石器生産が行われており、 矢じり等が出土しています。出土品は拠点施設に展示しています。

姫島庄屋古庄家(村指定有形文化財)

古庄家は、江戸時代を通して姫島の庄屋を務めた家で、塩田の造成、サツマイモ栽培の導入、沖の波戸の築造など、 姫島の発展に多大な功績を残しています。古庄家の屋敷は、第11代古庄逸翁が天保13年に完成したもので、敷地は約550坪、 一部2階建ての寄棟造りで延建坪は129坪あります。庭園、お成りの間等、格式を伝える貴重な建物です。

観音崎(国指定天然記念物「姫島の黒曜石産地」)

観音崎は、高さ40m、長さ120mに及ぶ灰色の黒曜石の断崖が見られる、村内随一の景勝地です。平成19年に「姫島の黒曜石産地」として国の天然記念物に指定されました。

この黒曜石は、瀬戸内海地域を中心とする西日本一帯(九州~四国~中国地方)で、旧石器時代以降(主に縄文時代)、石器の原材料として使用されていました。

観音崎(下関戦争四カ国連合艦隊集結場所)

姫島の西浦沖に集結する外国船の古写真
(宇和島市立伊達博物館蔵)

関門海峡を通過する外国船を砲撃した長州に対する報復のため、1864年に英、米、仏、蘭の連合艦隊17隻が姫島の西浦沖に集結した後、 下関に向かい、砲台を攻撃しました。この事件に関連して伊藤博文、井上馨、勝海舟が来島しています。

姫島灯台

明治37年、島の東端、稲積火山の溶岩ドームからなる57mの断崖の上に建てられた花崗岩造の堅固なもので、昭和38年電化され、 昭和45年に無人となりました。ここからは瀬戸内海を一望でき、天気のいい日には四国や中国地方の山並みを見ることができます。 また、灯台公園は、島内随一の桜の名所でもあり、お姫様の神秘が生み出したといわれているオオシマザクラの「ハートの切り株」があります。

 

沖の波止

姫島の火山岩は、人々の暮らしに欠かせない石材として、石垣や波止の築造に使われてきました。 北浦にある「沖の波止」は、天保12年(1841年)に築造された姫島で最初の波止場で、石材として主に城山溶岩が使用されています。

 

塩田の遺構と車えび養殖池

姫島の中央低地では、砂州からなる遠浅の地形を利用して、慶長年間から塩田が営まれていました。 島の各所に塩田関連の遺構が残っています。また、塩田跡地を利用して、昭和38年からはじめられた車えびの養殖は、 沿岸漁業と並ぶ村の基幹産業となっています。

盆踊り(国選択無形民俗文化財「姫島の盆踊」)

姫島の盆踊は、鎌倉時代の念仏踊りから派生したものといわれており、伝統踊りと創作踊りがあります。 毎年8月14日から16日までの3日間開催され、14・15の両日は、特に賑わいます。平成24年に、国選択無形民俗文化財に指定されました。

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姫島七不思議

姫島には、お姫様にまつわるものなど数多くの言い伝えがあり、姫島七不思議として語り継がれています。

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千人堂

観音崎に馬頭観世音を祀った小さなお堂があります。大晦日の夜、債鬼に追われた善人を千人かくまうことができるといういわれから、 千人堂といわれています。

浮洲

沖合の小さな洲に漁業の神様、高部様を祀っており、高部様と鳥居は高潮や大しけの時でも決して海水につかることがないといういわれから、 浮洲といわれています。

逆柳  

お姫様が、使った柳の楊枝を土中に逆さまに挿したところ、芽を出したといういわれから、逆柳といわれています。

かねつけ石(おはぐろ石)

お姫様が、おはぐろをつける時、石の上に猪口と筆をおいたところ、その跡ができたといういわれから、かねつけ石といわれています。

拍子水

お姫様が、おはぐろをつけた後、口をゆすごうとしたが水がなく、手拍子を打って祈ったところ、水が湧出したといういわれから、 拍子水といわれています。

浮田

大昔、池に棲んでいた大蛇を誤って埋めてしまったため、大蛇の怒りで田が揺れるといういわれから、浮田といわれています。

阿弥陀牡蠣  

灯台の下の海食洞窟内に「牡蠣」が群棲し、海水につかることがなく、食べると腹痛を起こすといわれています。 その牡蠣が阿弥陀三尊の形に似ているので、阿弥陀牡蠣といわれています。

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