金(かね)火山の溶岩は、デイサイトという岩石(流紋岩と安山岩の中間の組成を持つ)でできており、粘り気の強いマグマがドーム型の形状で固まったものです。金火山には、溶岩ドームなどによって作られた山が5つあります。はっきりとした縞模様があることと、普通角閃石の結晶を含むことが特徴です。
縞模様は、流紋岩に多く見られる流理構造と呼ばれるもので、マグマが流動するときに引き伸ばされてできると考えられています。
金溶岩は、杵築の「勘定場の坂」の石畳などにも使われています。
「金」という名称は、このあたりの集落の名前「金地区」から付けられています。「かね」は「おはぐろ」を意味する言葉で、もともとは「金」ではなく「鉄漿」という漢字が使われていました。
金地区には、お姫様の「おはぐろ」にまつわる伝説が残されており、水も豊富であることから、古くから人々が生活していたと考えられます。
比売語曽社周辺の山の斜面上に、スダジイ自然林がみられ、村の天然記念物に指定されています。
スダジイは、海岸沿いに生育することが知られていますが、島内の他の場所に見られないことや、瀬戸内海周辺は、氷期には内陸部であったことなどから、この場所のスダジイ自然林の成り立ちについてはまだ不明な点が多く残されています。